窪田晶子の小話

春の前に・・・

先日、北海道の実家にいた愛犬が天国へ旅立って行きました。

中型の雑種でメス。目や耳はもうすでに老化していたのですが、体はすこぶる元気で、冬でも夏でも散歩に行きたくてたまらない、元気なわんこでした。

「ディドとエネアス」の本番に向けて稽古もラストスパートという頃、急に“弱ってきたな”と感じるようになり・・・立ち上がったり段を降りたりという動作が鈍くなりはじめ、エサもあまり食べなくなりました。
それでもいつものように、遅くに稽古から帰宅する私にしっぽを振って出迎えてくれていました。稽古であれこれ試行錯誤したり悩んだりと、疲れて帰宅する私を癒してくれていました。
無事にオペラ公演を終え、東京に戻るまではずっとそんな状態だったのですが、「もしかしたらもう会えなくなってしまうかもしれない。」と、そんな予感が頭の中をよぎっていました。
その後、日に日に弱っていき、動くこともあまりなくエサを全く口にしなくなり・・・
私が東京へ戻ってから10日後、ついに犬生を全うし天国へ旅立って行ったのです。

16歳と8ヶ月。人間でいうと100歳。大往生でした。
病気をすることもなく、老衰で旅立って行きました。

私が実家で暮らしていたり、東京へ引っ越したりと、様々な時を共に過ごしてきた“家族”でした。今度北海道へ戻るときにはもういないのだと思うと淋しいのですが、沢山の時間を過ごし、楽しい思い出をくれたことに感謝しています。

“かわいがっていたペットが亡くなる。”
これがつらくて、嫌で、動物を飼わないという方もいます。
しかし私は、犬と一緒にいた時間の思い出の方が、その悲しみよりはるかに勝っていて、むしろ「沢山の思い出をありがとう!」という気持ちでいっぱいです。

桜も咲き始めました。
私達は桜の花を下から見上げますが、我が愛犬は天国から見下ろして、きれいだなぁと眺めていることでしょう。

posted at 09:44:12 on 2008-03-23 by piccola - Category: 窪田晶子の小話 TrackBacks

コメント

gwntkcnwBWRctwXqZPb wrote:

You have the monopoly on useful informtaion
2011-10-10 13:29:41

bsXJF5F1R wrote:

Imrndepenoe innsats, gutter! Regner med dere har fÃ\tt opplevelser dere kan leve pÃ\ en liten stund.Trond S – pÃ\ feltarbeid i et regntungt Ny-Ã…lesund
2016-08-08 05:18:50

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