窪田晶子の小話

島国・ニッポン

外国人観光客、特に熟年夫婦の方々が、ガイドブックを片手に旅を楽しんでいる様子をよく目にします。



外国の方が初めて日本に到着するまで・・・想像の中での「日本」はきっと得体の知れない国。
これだけ情報が瞬時に世界中を駆け巡る時代とはいえ、まだまだ日本人はちょんまげを結っていると思っている方もいないわけではない。なにしろ東洋の島国。小さな小さな島国。日本語というオリジナルの言語を用い、武士道、華道、茶道など、“道”のつく精神文化を持ち、それでいて世界最先端の技術をもつ先進国。「一体アノ小さな島国はどうなっておるんじゃい?」と想像力を掻き立てられること間違いなし!と思うのですがいかがでしょうか?
ということで、外国人観光客にはわがニッポンはどのように目に映っているんだろうといつもインタビューしてみたくなります。自宅から近いところでは、歌舞伎座、築地市場、月島もんじゃ焼きストリート界隈でよくガイドブックを手にした観光客を見かけます。また、お国柄というか国の現状が垣間見えるなと思うのは、銀座にバブル期を迎えている中国からの観光客が多いということ。
また道を尋ねられることもしばしばあります。私はよく道を訪ねられる傾向にあるようで、旅行先で聞かれたことも一度ではありません。そうとうスキがあるのか?
韓流ブームで日本でも韓国語を話す人が増えたそうですが、そういえば韓国からの若い観光客から上手に日本語で道を尋ねられた時は、何だか嬉しい気持ちになりました。

このところ、相撲を観戦したり桜の開花をみたりしながら日本の素晴らしいところはどんなところかと考えていたのですが・・・
イギリス人英語教師の殺人事件が起きてしまいました。あまりに残忍で悲しい事件、しかしいまだ犯人は逃走中。
日本に興味を持ち、日本が大好きで、ここは安全だと信じて暮らしていた日本でまさか短い人生を終えることになるなんて、家族や周囲の悲しみは計り知れません。
今日のニュースでは、学校教育で「道徳の時間」を「徳育」として教科に格上げするという案が出ていましたが、徳育とうものを採点できるのか、そもそもそれを採点するほど、今、大人は心にゆとりを持っているのか・・・

外国人観光客がはっと心を動かされる日本の美しい文化を、こんな時代だからこそ、私たち日本人も立ち止まって見つめ直すことが大切なのかも知れません。
posted at 10:26:35 on 2007-03-30 by piccola - Category: 窪田晶子の小話 TrackBacks

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