窪田晶子の小話

蚤の市

私が買ったのはコレ。1980年代のものらしい。最近のような気がするけど、もうアンティークとしてコレクションに入るみたいです。




そんなわけで蚤の市のおはなし。
週末にパリの何箇所かで開かれている蚤の市。“パリ”といって思い浮かぶオシャレなイメージとは少しかけ離れています。
私が行ったのはクリニャンクールの蚤の市。地下鉄4号線の終点にあります。パリ最大の蚤の市でとても広く、夢中になって見ていると時間が過ぎるのもあっという間です。
フランスは移民を受け入れている国ということもあって、アジア、アフリカの物も多く見られます。特にアフリカの雑貨は色鮮やかで、わけもなくウキウキしてきてしまいます。もちろん店員さんも明るい人が多く、私が日本人ということで「ビンボープライス、ビンボープライス!」とさかんにアピールしてきました。“ビンボープライス???”・・・どうやら“安いよ、安いよ〜〜!”ということだったらしい。日本人代表として、それは間違っているとしっかり説明してきました。
安いものもあれば価格の上がっているものもあり、中には「こんな物も売っちゃっていいの??」と首を傾げてしまうものもある・・・そういえば劇場の座席も売っていました。
奥の方へ進んでいくとアンティークのゾーンになり、主に家具(とりわけ椅子が多い)、服、アクセサリー、食器類が次々と並べられています。保存状態もよく、きちんと手入れされているあの品この品。それらを見ているうちに、使い込まれたものに価値があるとだんだん思えてきます。
「古いものを大切に使い受け継いでいく」という姿勢が感じられ、使い捨てが当たり前になりつつある日本の生活を反省したりして。
とにかくいろいろな物をいろいろな人がコレクションしているものです。
さて私が長〜〜く足を止めて見入ったものはというと、古い絵葉書を売っているお店でした。もちろん誰かが誰かに実際に送ったもので、古い切手に消印が押されています。その切手も前に貼ってあったり裏に貼ってあったりと様々。とにかく絵葉書のデザインがとてもすばらしい!!布やレースできれいに飾っていたり、立体的な装飾が施されていたり、イラストもレトロで逆に新鮮。羽のペンでしか書き得ないほどの小さな文字がびっしりと書かれたもの、短い言葉を添えてあるもの・・・
電話がまだ普及していない頃は郵便が遠くの人と連絡を取る手段だったせいでしょうか。その一枚一枚には書き手の思いがずしっと感じられます。1920年台の葉書もありました。
このお店の女性店員の方は、時々これらをゆっくり読んでは当時の生活や人々のことを考えているのだと話してくれました。それはもしかしたらとても贅沢な時間なのかもしれないなと、ちょっとうらやましくなってしまいました。

パリにお出かけ予定の方。是非足を運んでみてください!
ただし非常にスリの多いところなのでご注意を。
posted at 16:49:09 on 2007-04-19 by piccola - Category: Main TrackBacks

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