窪田晶子の小話

みなさんにとって、人生最大のサプライズは何ですか？

日常、些細なことでもちょっとした驚きはあるものです。たとえば旅先でご近所さんに会ったり、偶然お金を拾ったり、万馬券が当たったり・・・
ではサプライズを仕掛けたことはありますか？
先日、私はサプライズを仕掛ける側になりました。といってもこのサプライズは札幌で行われたので、「あなたは東京から来るだけでサプライズなんだから！」という言葉にすっかり甘えて、北海道在住の方々が進めてくれました。

そのサプライズとはこんな感じ。
あるご夫妻の還暦をお祝いしようというところから話がはじまり、「それではお二人には内緒で進めよう」というということになりました。ご夫妻は私に声楽の道を勧めてくれた方。お二人と出会わなければきっと私はこうしてオペラを歌うことはなかったでしょう。今でも札幌室内歌劇場の公演に熱心に足を運んでくださり、応援してくださっている恩人なのです。またこのご夫妻は私の地元の音楽界を支えている方。この機会にお二人に感謝の気持ちを込めてパーティーを企画しよう！！
・・・ということで「ちょっとランチでもしませんか？」と誘い出し、会場に着くとパーティーという流れに。

計画を絶対に内緒で進め、かつ二人に疑問をもたれることなく会場まで来ていただくこと。これはかなり大変な作業だったようです。小さなパーティーとはいえ、合唱団員や楽器店の方、演奏グループの面々など総勢29名が集まりました。この中で誰かが口を滑らせてしまっては台無しになってしまうのです。
私も何度か主賓の方と連絡を取り合っていましたが、このパーティーのことには一切触れず、「そちらへ行く予定ははっきりしていなくて・・・」な〜んてシラバっくれたりして。中心になって動いてくれた人等は、「その日は何人集まるの？」とご夫妻に尋ねられ、困ってしまったとか。

さて、二人が会場に到着しドアが開くと・・・
「この人も、アノ人も！！！どうしてここに？？？」とそれはそれは驚いた様子。大成功！！
後で聞いたところによると、会場に入ってから30分くらいは、何が起きているのかわからない状態で座っていたそうです。
お二人との思い出話や演奏、合唱など盛りだくさんのサプライズパーティー。私にとっても忘れられない一日になりました。

そういえば昔「スターどっきり○○○」というような番組がありましたね。
せっかくドッキリするなら嬉しいドッキリに限ります。